温泉が世界を救う!…ハズ。
温泉ソムリエによる、愛すべき温泉の話。
九州各県の温泉ソムリエが愛する温泉について語ります。
一周目は家族湯!
再び登場、温泉ヘンタイ良榮です。
温泉にハマって6年。
最初に家族と温泉エピソードを少し……。
温泉にハマるまでは仕事一筋だった私ですが、
温泉の魅力に取りつかれた最初の1年は、子どもたちからも
「お母さんも趣味らしい趣味が出来てよかったね」と言われていました。
2年目には「いい加減にしなよ」と言われるようになり、
3年目には「また温泉?」……(肩身が狭かった)
4年を過ぎたころから自粛期間に入りますが、2週間が限度(短っ!)。
温泉に行かないと禁断症状が出るようになり、イライラ八つ当たり(笑)。
とうとう我慢が爆発して、
夜勤明けで昼になっても帰らない母に、
「どこいるの?」と子どもから電話が来て
「あ! 今、鹿児島」と返答する始末です。
それからしばらくして
「温泉行かないで食べて太るんだったら、温泉行って!」と
なんとな〜く許可も出たようなので
休みには温泉三昧を楽しませていただいております。
今回は、私の地元・佐賀県の家族湯をご紹介させていただくのですが…。佐賀県は温泉大国九州の中でも温泉が少なく、家族湯も多くはありません。九州で345カ所温泉地がある中で佐賀県は24カ所ともっとも少ない県なのです(環境省「平成29年度温泉利用状況」より)。
少ない中でも、佐賀県で代表的な嬉野温泉は「日本三大美肌の湯」としても知られていて、とても古い歴史のある温泉地です。残念ながら家族湯専門の施設はなく、旅館やホテルに併設された家族湯しかありません。
さて今回は、その嬉野温泉からほど近いところにある武雄温泉が主役です。こちらも1300年の歴史がある、歴史の長い温泉地です。
武雄温泉のシンボルとなっている楼門は、竜宮城を思わせるような鮮やかな朱塗りの建築物で、国の重要文化財に指定されています。東京駅と同じ辰野金吾氏の設計で、大正4年に建設され、平成25年に保存修復が行われ建造当時の朱色が復元されました。
2階天井の四隅には「子」「卯」「午」「酉」の彫り絵があり、東京駅南北ドームの天井にある8つの干支と合わせて十二支になるというエピソードがあり話題となりました。
武雄温泉は「アルカリ性単純泉」で無色透明の優しい肌さわりが特徴です。この武雄温泉にぜひ一度は訪れて頂きたい家族湯(貸切湯)が、楼門の奥にある「殿様湯」。
江戸中期の武雄領主・鍋島氏の専用風呂として作られた「殿様湯」は、現在、立ち寄りで入浴することが出来ます。なんと!「江戸参府紀行」には、ドイツ人医師・シーボルトが武雄を訪れた際に入浴したと書かれています。
当時はヒノキの浴槽でしたが、明治9年に現在の建物に建て替えられ、浴槽は大理石へと変わりました。
総大理石で造られた見事な風呂に浸かると、とても贅沢な気分になります。
源泉かけ流しの熱めの湯を殿様と同じように一人で満喫し、
当時も同じように湯が流れていたんだろうな……と思いを馳せながら、
湯音を聴きながら目を閉じて、
歴史の中に身を沈める……なあんて、
ロマンチックな気分を味わいましょう。
さて、ヘンタイ的にここのお湯を楽しみましょう。
成分表に書いてある源泉温度と、
湯船に注がれるお湯の温度は違うので、
だいたいいつも持参した温度計で、温度を計っています。
この日は実測で44.5℃。
44.5℃というと高めの温度になるので、普通の方はちょっと熱くて入れないかも(汗)
でも、44~46℃のあつ湯が一番好きな私は、
「気持ちいい〜」と感じながら加水することなく源泉かけ流しのまま入ります。
熱いお湯が苦手な方は、水を入れることもできます
……が!!!
熱いけどこの源泉のままのお湯に浸かって頂きたい。
なぜなら、トロトロ感が半端ない。
水で薄めると、どうしてもトロトロ感が少なくなります。
なので、まずはトロトロを肌で感じて頂きたい。
「いやいや! 熱くて入れないよ」とおっしゃるあなた!
かけ湯をしてください。
まずは、熱さに慣れるまで、足先から腰、腕……と、心臓から離れた場所にかけ湯をします。徐々に慣れてきたら、胸下にも同じくらいかけ湯を。最後に、肩からもかけていくと、次第に熱さを感じなくなっていくんです。たぶん、20杯以上はかけ湯するかな。
そうすると、体が温度と成分に慣れてきて、
スムーズに入浴できるんですよ。
無理して入って、体調を崩すのもいけないので、
ほどほど……ですが、
家族湯だからこそ、周囲に気を遣うことなく、
お湯の温度も入り方も、好みで楽しめるんですから、
このトロトロ湯を味わないのは損です。
もったいない。
ぜひ!ぜひ!
あつ湯のまま試してみてください。
殿様のお風呂ということで4畳半と3畳の控室もあり、1室の定員は大人5人なので、グループで訪れるのもよいでしょう。
武雄温泉の歴史を感じていただき、近くのパワースポットとして有名な「武雄神社」の御神木・樹齢3000年以上の大楠で、心身ともにリフレッシュすると、笑顔になれること間違いなしですよ♪
住所 | 武雄市武雄町武雄7425 |
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TEL | 0954-23-2001 |
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2019.07.19
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